【実録|善光寺焼】
この実録は、
善光寺焼との出会いの中で起きた出来事を、
時系列でそのまま記録したものです。
意味や流れを整理して読みたい方は
▶ 御開帳と善光寺焼シリーズ一覧へ
俺には、師と仰ぐような存在の友人がいる。
店の中に一歩足を踏み入れると、
外の賑わいとはまったく違う、静かな空気が流れていた。
どこか張り詰めたような、
でも不思議と落ち着く空間。
並べられた器たちは、ただの「商品」ではなく、
そこに在ること自体に意味があるように感じられた。

手に取ると分かる。
重さ、質感、手触り。
どれもが均一ではなく、ひとつひとつに個性がある。
同じものは、ひとつとしてない。
「これが、本物か——」
そう思った。

見た目だけでは分からない。
実際に触れて、感じて、
初めて分かる違いがある。
それは、言葉で説明できるようなものではなく、
ただ静かに伝わってくるものだった。
師と仰ぐその友人が、ひとつの器を手に取りながら言った。
「こういうのはな、使って初めて分かるんだよ」
飾るものじゃない。
使うもの。
その言葉が、妙に腑に落ちた。

眺めるだけではなく、
日々の暮らしの中で使うことで、
その良さが少しずつ分かってくる。
それが、「本物」なんだと思った。
店の中で過ごした時間は、
長かったのか、短かったのか分からない。
ただ、確実に言えるのは——
あの空間で感じたものは、
これまでの自分の中にはなかった感覚だったということ。
そしてその感覚は、
これから先の「選び方」を変えていく気がした。
この出来事の意味を整理した本編はこちら
▶ 第一話|出会いは、突然だった①
流れの続きを読みたい方はこちら
▶第三話|余韻の中で見えたもの③


コメント