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第五話|帰路に繋がったもの⑤

【御開帳と善光寺焼シリーズ|本編】

善光寺御開帳の年、

“本物”と出会った記録。

はじめに|すべては一冊の本から始まった

第一話|出会いは、突然だった①

第二話|本物と出会う時間②

第三話|余韻の中で見えたもの③

第四話|暮らしの中で使うということ④

▶ 第五話|帰路に繋がったもの⑤(この記事)

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※善光寺焼を探していた頃の話です。

あの頃、
何を探していたのかは、
自分でもよく分かっていなかった。

善光寺焼をきっかけに、
いくつかの場所を巡り、
いくつかの人と出会った。

そったく堂。

豊野の店。

そして、
日々の暮らし。

振り返ると、
探していたのは、
器そのものではなかった気がする。

人とのやり取りや、
手に取った時の感触。

暮らしの中で使う時間。

そういうものの中に、
どこか懐かしさのようなものを感じていた。

うまく言葉にはできないが、

どこか、
自分の中に戻っていくような感覚だった。

気づけば、
手元にはいくつかの器が残っていた。

暮らしの中に、静かに残っていくもの。

派手なものではない。

けれど、
どれも理由があって残ったものだった。

あの場所で出会ったもの。

あの人から受け取ったもの。

自分で選んだもの。

それらが、
今の暮らしの中に、静かに残っている。

遠回りしてきた自分が、

ようやく手に入れたものは、

特別な何かではなかったのかもしれない。

ただ、

暮らしの中に置けるものだった。

そして、

それを使い続けていくことが、

これからの時間になるのだと思う。

遠回りは、帰るための道だった。

第四話|暮らしの中で使うということ④

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