無料チケットが届けば、またサマーランド
この時期になると、
保育園や小学校から、
お便りと一緒にサマーランドの
無料チケットが配られる。
ありがたい。
非常にありがたい。
そして我が家の場合、
そのチケットがあると───
行く。
また行く。
「明日も行こう!」
……また行くのか。
今年の夏、
何度サマーランドへ向かったのか。
もう数えていない。
始まりは、
穣と二人で行くはずだった一日だった。
ところが朝になって、
「私も行きたい!」
織と藍まで騒ぎ始めた。
二人とも保育園へ行く予定だったのだが、
こうなるとなかなか収まらない。
結局、急遽お休み。
穣、織、藍。
3人まとめて連れて行くことになった。
急な予定変更にもかかわらず、
妻がおにぎりやおやつ、
着替えまで大急ぎで用意してくれた。

水着は家から着ていく。
脱げば、すぐ入れる。
準備万端。
あとは出発するだけ。
───
なのに出発できない。
子どもが3人いると、
なぜかこうなる。
予定より遅れて11時半ごろ家を出て、
途中でコンビニにも寄り、
須坂サマーランドへ着いたのは午後1時ごろだった。
父だけ500円
子どもたちは無料券。
父にはない。
受付で大人500円のチケットを買い、
子どもたちの無料券と一緒に渡す。
更衣室のロッカーへ着替えを入れる。
100円玉はいらない。
無料で使える。
更衣室を抜けたら、浮き輪に空気を入れる。

よし。
遊ぶぞ。
最初は、みんなで流れるプール
まずは4人で流れるプール。
浮き輪につかまって、
ぷかぷか流される。
一周したら、
もう一周。
そして、また一周。
子どもたちは楽しそう。
そして何より、
私も気持ちいい。
何もしなくても、
水が勝手に運んでくれる。

いい。
実にいい。
ずっとここで流されていたい。
───
そう思っていた。
穣がウォータースライダーへ行くまでは。
「一人じゃ嫌だ」
織と藍もウォータースライダーに乗りたがった。
ところが身長制限は120cm以上。
二人はまだ乗れない。
となれば、
楽しめるのは穣だけ。
「行ってこい!」
ところが、
「一人じゃ嫌だ」
怖いらしい。
なんだかんだと言い訳を始める。
仕方がない。
「ほら、行くぞ」
手を取って一緒に向かう。
ところが、
ウォータースライダーは滑る前に、
登らなければならない。
階段を上へ。
さらに上へ。
まだ上へ。
運動不足の私には、
これが地味にこたえる。
私にとっては、
ウォータースライダーではなく、プチ登山である。
それでも上まで登れば、
景色は最高。
せっかくここまで来たのだから、
一番長い120mへ。

滑り出せば一気。
最後は水面へ放り出される。
これが、
気持ちいい。
「穣、面白かっただろ!」
怖がっていた穣も楽しそうだ。
よかった。
父親として、
息子の背中を押してやれた。
───
ここまでは、いい話である。
「もう一回!」
……え?
さっきまで、
「一人じゃ嫌だ」
って言ってなかったか?
登る。
滑る。
また登る。
また滑る。
そのうち、
「見に来て!」
「一緒にやろう!」
息子の背中を押したら、今度は父の背中を押してきた。
そして3人、散っていく

穣がウォータースライダーにハマると、
今度は織。
お姉さんとして見栄を張っているのか、
50mプールへ入っていく。
潜って戻ってくるなり、
「底に足ついた!」
得意げである。
本人にとっては、
プールの底に足がついたことが、
少し大人になった証らしい。
一方、藍は幼児用プール。
滑り台に夢中。
滑る。
上る。
また滑る。
穣はウォータースライダー。
織は50mプール。
藍は幼児用プール。
ちなみに穣は、アシカにもなった。

そして父は───
どこにいりゃいいんだ。
穣を放っておけば、
「見に来て!」
「一緒にやろう!」
はいはい。
穣のところへ行けば、
今度は織がポツリ。
「藍の面倒見てて、つまらない」
……すまん。
すると藍は、
「みんなで流れるプールでいいじゃん」
ごもっとも。
実にごもっともである。
親の数が足りない
子ども、3人。
父、1人。
足りない。
妻が一緒に来たとしても、
子ども、3人。
親、2人。
───
やっぱり足りない。
穣を見れば、織が来る。
織を見れば、藍が来る。
右へ行けば左から呼ばれ、
左へ行けば右から呼ばれる。
さっきまで、
「ああ、気持ちいい」
なんて流れるプールに身を任せていた父親は、
もうどこにもいない。
流されている暇すらない。
でも、
まあ。
これが面白い。
「見に来て!」
「一緒にやろう!」
「つまらない!」
3人から好き勝手に呼ばれる。
いつか、
誰も呼んでくれなくなるのだろう。
だから今は、
親の数が足りないくらいで、
ちょうどいいのかもしれない。

───
「お父さーん! 一緒に滑ろう!」
……はいはい。
また登るのね。
友達がいた。今日は楽できるぞ
何度も遊びに来ていると、
子どもたちの友達に会う日もある。
これは助かる。
ものすごく助かる。
子ども同士で遊んでくれる。
ということは、
父、自由。
よし。
今日は俺も泳ぐぞ。
───
とは、
ならない。
楽しそうに遊ぶ子どもたちを見ながら、
ふと思う。
「……相手のお父さん、お母さんに任せっぱなしになってないよな?」
気になる。
だからといって、
父だけ勝手に泳ぎ始めるわけにもいかない。
子どもは遊んでいる。
父は見ている。
目の前にはプール。
水はたっぷりある。
なのに、
入れない。
子どもが父から離れて遊べば、
少しは楽になると思っていた。
確かに楽にはなった。
その代わり───
今度は父が水を恋しがる。
ホイッスルが鳴れば、食う
1時間に一度、
休憩を知らせるホイッスルが鳴る。
子どもたちがプールから上がる。
そして我が家は、
食う。

おにぎりを食う。
おやつを食う。
「お前ら、また食うのか」
なんて言っている私も、
腹が減っている。
腹が減っては戦はできぬ。
というより、
腹が減ってしょうがない。
流れるプールを何周もし、
3人を追って、
あっちへ行ったり、
こっちへ行ったり。
さらにウォータースライダーという名のプチ登山。
そりゃ腹も減る。
だから父も食う。
休憩終了。
泳ぐ。
ホイッスル。
食う。

泳ぐ。
食う。
途中から、
だるくなってくる。
でも、
これだけ動いているんだから、
さぞ痩せるだろう。
───
と思いきや、
どう考えても、
動いた以上に食っている。
プールに来て太って帰る。
なんとも効率が悪い。
我が家は午後イチ
午前中から遊びに来たこともある。
当然、
遊ぶ時間が長い。
休憩も増える。
つまり、
食う回数も増える。
夕方には、
持ってきたおにぎりも、
おやつも、
底をつく。
でも、
腹は減る。
売店を見る。
カップラーメン、
250円。
食べる。
泳いだあとのカップラーメン。
これがまた、
うまい。

そして帰宅。
晩ご飯。
入らない。
───
遊びに来て、
生活リズムまで壊されたんじゃ、
たまったものではない。
何度か通って、
我が家は学んだ。
サマーランドは、午後イチからがちょうどいい。
午後から思い切り遊ぶ。
腹を減らして帰る。
そして家で晩ご飯。
これならいい。
朝から遊び尽くすのも楽しい。
ただ我が家の場合、
休憩のたびに食う。
父も食う。
だから、
午後イチ。
これが今のところ、
我が家のサマーランド攻略法である。
また行きたい
始まりは、
穣と二人で行くはずだった。
それが3人になった。
みんなで流れるプールを流れた。
穣はウォータースライダーにハマった。
織は50mプールの底に足がついたと自慢した。
藍は幼児用プールの滑り台を何度も滑った。
父は、
あっちへ行ったり、
こっちへ行ったり。
腹が減って、
食べて、
また泳いだ。

そして帰り道。
「また行きたい!」
本当に、
また行った。
また行った。
気がつけば、
何度行ったのか、
もう数えていない。
夏しか開いていない場所だから、
行けるうちに行けばいい。
子どもたちが、
「お父さん、行こう」
と言ってくれるうちに。
───
そして、
また誰かが言う。
「明日も行こう!」
……はいはい。
この夏、あと何回行くんだよ。
須高広域総合プール サマーランド|2026年基本情報
須坂市にある夏季営業の屋外プールです。
2026年度の営業期間は7月18日〜8月30日。通常営業時間は9:30〜17:00。
120m・70mのウォータースライダー、全長180mの流水プール、50m競泳プール、飛び込みプール、幼児用プールなどがあります。
一般料金500円、中学生以下・60歳以上300円、3歳未満無料。
ロッカーは無料。弁当の持ち込みもできます。
我が家では、保育園や小学校から配られた無料チケットを利用して遊びに行っています。
営業日や利用条件などは変更される場合があるため、お出かけ前に最新の公式情報をご確認ください。


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