世の中には、
弱い者をいじめて、
強い者に阿る人間がいる。
私はそういう生き方が好きではない。
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弱い立場の人には強く出る。
反論してこない相手には威張る。
新人には厳しい。
立場の弱い人間には容赦がない。
自分より下だと思った相手には横柄になる。
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ところが、
自分より立場が上の人間の前では急に大人しくなる。
権力のある人の前では笑顔になる。
都合の悪いことは言わなくなる。
意見があっても飲み込む。
気付けば顔色ばかりを見ている。
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それは強さではない。
賢さでもない。
ただ相手を見て態度を変えているだけだ。
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私は今年で50歳になった。
だからなのか、
昔より余計に思うことがある。
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年上だから偉い。
先に入ったから偉い。
役職があるから偉い。
学歴があるから偉い。
肩書きがあるから偉い。
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そんな考え方は、
とっくの昔に卒業した。
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私は今でも、
年上の人には敬語を使う。
初対面の人にも敬語を使う。
それは相手が偉いからではない。
一人の人間として敬意を払っているからだ。
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逆に年下だからといって見下すこともしない。
勤続年数が短いからといって軽く扱うこともしない。
人は肩書きではない。
年齢でもない。
まず人だと思っている。
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だから余計に違和感を覚える。
相手の立場で態度を変える人を見ると。
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誤解してほしくない。
私は誰彼かまわず噛みついてきたわけではない。
気に入らないから怒るわけでもない。
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私なりに大義名分はある。
筋を通したいだけだ。
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だから私は、
本人に言う。
陰で言わない。
人前で恥をかかせない。
まず本人に話をする。
逃げ道を作らない。
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それでも改善されない時だけ、
声を上げてきた。
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だが不思議なことに、
本人を前にすると何も言えない人がいる。
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その場では笑う。
その場では頷く。
その場では仲良くする。
その場では賛成する。
その場では何も言わない。
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ところが後になると、
話は変わる。
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本人には言わない。
陰では言う。
周りには言う。
噂として広げる。
空気だけは作る。
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私は昔から、
それが理解できなかった。
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本当に間違っていると思うなら、
本人に言えばいい。
正しいと思うなら、
堂々と言えばいい。
責任があるなら引き受ければいい。
筋があるなら貫けばいい。
覚悟があるなら名前を出せばいい。
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だが多くの場合、
そうではない。
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嫌われるのが怖い。
評価が下がるのが怖い。
立場を失うのが怖い。
出世に響くのが怖い。
孤立するのが怖い。
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だから上には言わない。
その代わり、
下には言う。
横には言う。
陰では言う。
空気だけは作る。
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私は別に、
みんな仲良くしろと言いたいわけではない。
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好きな人もいるだろう。
嫌いな人もいるだろう。
合う人もいるだろう。
合わない人もいるだろう。
人間だから当たり前だ。
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だが、
会社である以上。
組織である以上。
団体である以上。
仲間である以上。
チームである以上。
向き合わなければならない時がある。
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嫌いだから話さない。
気に入らないから避ける。
陰で文句を言う。
周りを巻き込む。
空気を作る。
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それでは何も変わらない。
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面と向かって話す。
問題があるなら伝える。
改善点があるなら話し合う。
納得できないならぶつける。
違うと思うなら意見を言う。
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私は、
それが組織だと思っている。
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私は子供の頃、
児童養護施設で育った。
そこには厳しいルールもあった。
上下関係もあった。
理不尽なこともあった。
自由ばかりではなかった。
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それでも、
仲間同士で助け合わなければ生きていけなかった。
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話し合うこと。
向き合うこと。
助け合うこと。
ルールを守ること。
責任を持つこと。
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それができなければ、
一つの組織として成り立たなかった。
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敬意のないところに信頼は生まれない。
向き合わないところに理解は生まれない。
話し合わないところに成長は生まれない。
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私はそういう組織を知っている。
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私は、
自分だけの居心地の良さを求めているわけではない。
自分だけが評価されたいわけでもない。
自分だけが得をしたいわけでもない。
自分だけが楽をしたいわけでもない。
自分だけが正しいと言いたいわけでもない。
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好き嫌いだけで人を判断する。
保身だけで物事を決める。
顔色だけを見て行動する。
責任から逃げ続ける。
陰で空気を作る。
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それは組織ではない。
ただの群れだ。
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そして、
そういう場所でよく聞く言葉がある。
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「代わりはいくらでもいる」
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確かにそうかもしれない。
人員の代わりはいるのかもしれない。
担当の代わりもいるのかもしれない。
役職の代わりもいるのかもしれない。
数字だけ見ればそうなのかもしれない。
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だが、
人は部品ではない。
人には歴史がある。
人には家族がある。
人には生活がある。
人には守りたいものがある。
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代わりはいくらでもいる。
そう言ったその人にも、
いつか代わりが現れる。
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そして気付く。
人の代わりはいても、
信頼の代わりはいないことを。
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そしてもう一つ思うことがある。
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最初からそういう人だったわけではない。
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最初は誠実だった。
最初は真面目だった。
最初は一生懸命だった。
最初は筋を通していた。
最初は会社を良くしようとしていた。
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ところが、
気が付くと変わっていく。
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顔色を見るようになる。
空気を読むようになる。
保身を覚えるようになる。
責任から逃げるようになる。
都合よく立場を使うようになる。
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そして気付けば、
昔、自分が嫌っていた人間になっている。
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私はそういう人間を何人も見てきた。
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好かれたいから黙る。
嫌われたくないから逃げる。
評価が欲しいから阿る。
責任を取りたくないから陰で言う。
弱い者にだけ強く出る。
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それを賢さと呼ぶ人もいる。
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私はそうは思わない。
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好かれていてもいい。
嫌われていてもいい。
褒められていてもいい。
悪く言われていてもいい。
筋だけは通していたい。
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人としての筋を。
仕事としての筋を。
仲間としての筋を。
組織としての筋を。
向き合うための筋を。
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自分の正義感や道徳観だけで人を裁かない。
なお、本記事は特定の個人や団体を指すものではありません。
また、家族や関係者を含め、誰かを攻撃したり誹謗中傷する目的で書いたものでもありません。
人それぞれに事情や立場があり、見えない部分もあります。
誰かを傷つけるためではなく、自分自身の経験や感じたことを記録として残しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
こうした何気ない一日を、
これからも記録として残していきます。
もし気に入っていただけたら、
👣足あとを残していただけると励みになります。
歩きながら、
少しずつ繋がっていった記録です。
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