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家族と暮らす器|小布施「古陶磁コレクション 了庵」

了庵で選んだ古い器に盛られた冷やし中華を手にする穣 古き良き暮らし

最近、皿減ったよな

毎日のように使っていると、

皿が一枚、二枚と減ったことには、すぐ気づく。

「あれ、この皿、前はもう少しあったよな。」

まあ、家で使っていれば、そんなこともある。

割れることもあれば、欠けることもある。

小布施の水路で見つけた古い陶磁器の破片を手にする穣
小布施の水路で見つけた、小さな陶磁器のかけら。

ちょうど皿も欲しかった。

そんな夏休みのある日。

穣と歩いている時に、

「帰り、皿でも見ていくか。」

そんな話をした。

すると穣が、

「お父さん、あそこの古いお皿見に行こうよ。」

「ああ、いいね。」

向かったのは、

小布施にある古陶磁コレクション 了庵

小布施にある古陶磁コレクション了庵の外観
白壁と庭に囲まれた、古陶磁コレクション 了庵。

我が家では何度も足を運んできた場所だ。

店内には古陶磁だけでなく、

ガラス戸の飾り棚に、

おもしろく不思議な作品が並んでいる。

石、木、身近なものが、

どういう発想を通ったらこうなるのか。

これが、なかなかぶっ飛んでいる。

小布施・古陶磁コレクション了庵の古い器やサイフォンコーヒー、店内に飾られた不思議な作品
器とコーヒーと、ちょっと不思議なもの。了庵で過ごしてきた時間。

古い器を見たり、

店主さんから話を聞いたり、

サイフォンのコーヒーを飲んだり。

その日も、

いつものように了庵へ向かった。

───

小布施の古陶磁コレクション了庵へ向かう穣
穣と歩いて、小布施の古陶磁コレクション 了庵へ。

「大きくなったね。」

了庵が見えてくると、

穣は小走りで店の方へ向かっていった。

ガラガラッ。

小布施の古陶磁コレクション了庵の入口へ向かう穣
慣れたように了庵の入口へ向かう穣。

「こんにちは。」

「おいおい。」

私はその後を追うように店へ入った。

しばらくすると、店主さんが出てきた。

「あら。」

穣を見るなり、

「大きくなったね。」

「また一段と大きくなったじゃない。」

「どうも、西野です。」

挨拶をして、

いつものコーヒーをお願いする。

小布施の古陶磁コレクション了庵の店内と店主
店主さんとの、いつもの時間。

サイフォンでコーヒーを淹れてもらっている間、

店主さんと話をしていると、

「あの時のお皿ね。欠けてるかもしれないけど、もう一枚出てきたのよ。」

春に買った皿だ。

春に小布施の古陶磁コレクション了庵を訪れた子どもたち
春に了庵を訪れた時のこと。

「いいんですか。」

こんな話をしていると、

店の奥から穣の声がした。

「お父さん、これ。」

行ってみる。

───

「これ、かっこいい。」

穣が手に取ろうと背伸びしていたのは、

古い小皿。

小布施の古陶磁コレクション了庵で、古い器を選ぶ穣
古い器の中から、気になる一枚を探す穣。

「お父さん。これ、かっこいい。」

「なんで? どこがいいの?」

「夕方の雲の絵の中に波が描かれててさ、かっこいいんだよな。」

「へえ。そこまで見てんだ。」

「これにさ、おはぎ乗せたら、かっこいいよね。」

「……おはぎ?」

「ヨモギ餅の団子だっていいんだしさ〜。」

「急に和菓子屋になったな。」

すると穣は、

何を当たり前のことを聞いてるんだという顔で、

「俺、あんこ大好きだからさ!」

……。

皿の話じゃなかったんかい(笑)。

私も器を見ると、

何を盛ろうか、あれこれ考える。

とはいっても、

大した料理ができるわけじゃない。

調理師の資格があるわけでもない。

最近なんて、

自分が何を作るかより、

妻が何を作って、何を盛ってくれるんだろう。

そんな期待をする時間も増えた。

───

この日は、

本も何冊かいただいた。

その中にあったのが、

『しなのの陶磁器』。

私が教科書にしていた本だ。

店主さんは穣に、

「お父さんに読んで教えてもらってね。」

小布施の了庵で店主から本を見せてもらう穣
「大きくなったら、自分で調べてみてもいいんじゃない。素敵だわ。」

「いいんですか。」

「ありがとうございます。」

家へ持ち帰ってから開いてみると、

あちこちに線が引いてある。

何度も開いた跡も残っている。

すっげえ勉強してんな。

この本を開きながら、

どれだけの器を見てきたんだろう。

そんなことを思った。

小布施の了庵で古陶磁の本を手にする穣
了庵で古陶磁の本を手にする穣。その向こうには、時代を越えて残ってきた器が並ぶ。

江戸。明治。大正。

簡単に口にするけれど、

明治でさえ、もう百年以上前。

了庵には、そんな時代の器が普通に並んでいる。

それが今も残って、

また誰かの手に渡っていく。

私は、そういうのが好きだ。

そうそう。

本だけじゃなく、

なぜかスペイン茄子もいただいた。

「ありがとうございます。」

小布施の了庵でいただいた紫と白の縞模様のスペイン茄子
「……で、スペイン茄子って、なんだ?」

その謎も一緒に持ち帰った。

そして、

食べてしまった。

結局、

謎は深まるばかり。

───

了庵を出る頃には、

皿に本に、荷物がどっさり。

重い。

さすがにこれはきつい。

妻に電話すると、

これから保育園へ迎えに行くという。

「悪い、先に俺たち拾って。」

妻へ応援要請。

夏の雁田山を正面に、荷物を持って小布施の道を歩く穣
雁田山を正面に、まだ歩く。救助地点までは、もう少し(笑)。

───

ギヤマン横丁(観音通り)を歩き、

陣屋道と交差する六川南の信号を右折。

そのまま歩いて、

薬師通りが陣屋道に突き当たる、
小布施中学校のグラウンド脇まで来た。

みちしるべを見ると、

北斎館、フローラルガーデン、
おぶせミュージアム・中島千波館

いつも見ている小布施の場所が、
道でつながっている。

まあ、この時の俺たちに、
そんな余裕はなかったけど(笑)。

そして、

ここで二人とも尽き果てた。

小布施中学校のグラウンド脇、陣屋道で荷物と一緒に座り込む穣
陣屋道の道標の下。本日の目的地は「妻の救助待ち」に変更(笑)。

ここまで来て、

二人とも電池切れ。

穣はその場に座り込み、

私も隣で動く気なし(笑)。

あとはもう、

妻が来るのを待つだけ。

そこへ妻が到着。

救助された。

陣屋道で迎えに来た車へ荷物を持って向かう穣
待ちに待った回収車が到着。残る仕事は、荷物と自分を積み込むだけ(笑)。

そのまま保育園へ向かい、

姉妹を迎えて家族で家へ帰った。

帰るなり、

子どもたちとシャワーを浴びる。

───

風呂上がり。

食卓には、

もう冷やし中華が並んでいた。

「うわ、もう使ったんだ。」

いいね。

浅さもちょうどいい。

こういう色のある皿、

うちにはあまりなかったから、

冷やし中華がよく似合う。

小布施で購入した器に盛り付けた冷やし中華と子どもたち
小布施で買った器で、夏の冷やし中華。

食べながら妻に聞いた。

「そういやさ、皿減ってたけど、あれ何?」

「ああ、穣だよ。」

三時のおやつを取ろうとして、

上の方に手を伸ばした時に、

皿をひっくり返してしまったらしい。

「ああ、そういうこと。」

まあ、

怪我なくてよかった。

朝にはなかった器が、

夜にはもう、普通にうちの食卓にいる。

小さいようで、大きな器。

大きいようで、小さな器。

風呂上がりの食卓には、

そんなこととは関係なく、

さっき我が家に来たばかりの器が、

まるで昔からうちにいたように、

当たり前に、我が家に溶け込んでいた。

───

了庵から徒歩で行ける周辺スポット

※徒歩時間・距離は実際に歩いて計測した目安です。

スポット徒歩時間距離
おぶせミュージアム・中島千波館1〜4分約100m
小布施町歴史民俗資料館4〜7分約300m
松葉屋本店・えんとつ5〜8分約350m
cafe & marche ichinii6〜9分約450m
小布施堂本店7〜10分約550m
桝一市村酒造場8〜11分約550m
高井鴻山記念館8〜11分約600m
北斎館8〜10分約600m
皇大神社9〜12分約600m
日本のあかり博物館9〜12分約650m
小布施駅11〜14分約800m
フローラルガーデンおぶせ12〜15分約900m
北斎ホール13〜16分約900m
雁田水穂神社14〜17分約1.0km
雁田のヒイラギ15〜18分約1.1km
浄光寺18〜21分約1.3km
岩松院 & KUTEN fruit&cake19〜22分約1.3km
おぶせ温泉穴観音の湯26〜29分約1.7km
玄照寺27〜30分約1.8km

各スポットの公式情報はこちら

▶ 小布施ミュージアム・中島千波館

▶ 小布施町歴史民俗資料館

えんとつのある店|松葉屋本店

▶︎ cafe & marche ichinii

▶︎ 栗菓子の小布施堂

▶︎ 桝一市村酒造場

▶ 高井鴻山記念館

▶ 北斎館

▶︎ 皇大神社

▶ あかり博物館

▶ 小布施駅 時刻表

▶︎ フローラルガーデン小布施 instagram

▶︎ 北斎ホール

▶︎ 雁田のヒイラギ – 文化遺産オンライン

▶︎ 真言宗豊山派 浄光寺

▶ 曹洞宗梅洞山 岩松院

▶︎ KUTEN。fruit&cake

▶︎ 温泉- おぶせ温泉穴観音の湯 公式

▶︎ 陽光山 玄照寺

店舗・美術館情報

古陶磁コレクション 了庵

住所:長野県上高井郡小布施町小布施88-3
電話:026-247-5866
営業時間:10:00〜17:00

※営業時間・休館日・入館料などは、訪問前に最新情報をご確認ください。

古陶磁コレクション 了庵 公式ホームページ


あわせて読みたい

了庵に通うようになって、

地元の焼き物にも興味を持つようになった。

それも、この場所から始まったことの一つ。

▶︎ 善光寺焼を訪ねた記事

▶ 家族で歩く小布施旅|物語ボックス全10話

▶ KUTEN。|岩松院前で過ごす昼時間

▶ 歩いて楽しむ小布施|ランチ・里山・温泉

▶ 小布施・北斎館|過去と今が重なる一日

▶ 小布施ミュージアム

▶ 小布施・あかり博物館へ|歩くことから始まった一日


ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

もしこの記事が、

「行ってみたい。」

「この器、ちょっと見てみたい。」

そんなきっかけになれば、
とてもうれしく思います。

これからも、
歩いて出会った景色や人、
そして、その場所で過ごした時間を
記録として残していきます。

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