「お父さん、取材って何?」
夏休み。
長男が、
宿題の中で、
残っていた課題のひとつ、
「つくってたべよう」のページを開き、
私のところへ持ってきて尋ねた。
「お父さん、これ、どうやって作るの?」
「材料がないから、お母さんが帰って来てからにしな。」
「でも、本物のお店の人に作り方を聞かないと分からないじゃん。」
私は笑いながら言った。
「せっかくだから、本物のパフェを見に行こうぜ。」
「どこに?」
「よし。腹も減ってきたし、取材に行こう。」
「お父さん、取材って何?」
「自分の足で行って、
自分の目で見て、
分からないことを聞くことだよ。」

そう話しながら、
二人で小布施の町を歩くことにしました。
訪れたのは、
cafe & marche ichinii…。

パフェを取材するために訪れたはずなのに、
店をあとにする頃には、
「また来たい。」
そう思っていました。
そして、
夏休みのうちに、
もう一度この店を訪れることになります。
新旧の魅力に出会える谷街道
お店は、
ギヤマン通りと大日通りを結ぶ、
谷街道(国道403号線)沿いにあります。
私が以前紹介した
「家族で歩く小布施旅|物語ボックス全10話」では、
第四話「おきかさん」から、
第五話「まんない姫と小布施栗」へ歩く途中にあり、
町歩きの途中でも立ち寄りやすい場所です。

谷街道を歩いていると、
道路から少し奥まった場所に、
一軒の古民家が見えてきます。
枕木を並べた砂利のアプローチ。
その先に広がる木製のテラス。
黒い瓦屋根。
やわらかな土壁。
屋根からのぞく一本の煙突。
大きなガラス窓も、
古民家の雰囲気に自然と溶け込んでいました。
テラスの横を進むと、
控えめな短い暖簾が静かに迎えてくれます。
派手な看板はありません。
大きな呼び込みもありません。
それでも、
「入ってみようかな。」
そんな気持ちになる、
不思議な魅力がありました。

暖簾をくぐり、
店内へ一歩足を踏み入れると、
自然と視線が上へ向かいます。
高い吹き抜け。
何本もの太い梁。
二階の土壁に残る竹小舞。
薪ストーブの煙突。
古民家の面影を残した、
落ち着いた空間が広がっていました。
料理を待つ時間も、
店内を眺めているだけで飽きませんでした。
いよいよ取材開始

席に案内されると、
穣は少し照れながら言いました。
「お父さん、あれ、聞いてよ。」
「はい? 自分で聞けよ。」
すると、
「いらっしゃいませ。」
スタッフの方が笑顔で迎えてくださいました。
そこで私から、
夏休みの宿題で、
パフェについて調べに来たことを伝えました。
穣も少し恥ずかしそうに、
「取材に来ました。」
と伝えると、
スタッフの方は、
一つひとつ丁寧に説明してくださいました。

最初に注文した料理
最初に運ばれてきたのは、
穣が選んだ
クラフトジンジャーエールでした。

一口飲むと、
「からい……。」
少し考えてから、
「お父さん、もう一つ頼んでいい?」
そこで注文したのが、
7月限定の「夏空ソーダ」。

7月の空をイメージした鮮やかな青色に、
パイナップルが添えられた、
見た目にも夏らしい一杯です。
穣は、
「これ、おいしい!」
と気に入った様子で、
あっという間に飲み切っていました。
私は、
オブセマロンラテを注文。

牛乳瓶の内側を流れるチョコレートソース。
その上には、
ホイップクリームと栗のクリーム。
私には少し甘く感じましたが、
甘いものが好きな方や栗好きの方には、
栗の風味を存分に楽しめる一杯だと思います。
穣が選んだのは、
セイボリーフレンチトースト(エッグ&ベーコン)。

こんがり焼き上げられたフレンチトーストに、
半熟の目玉焼きと香ばしいベーコンがのり、
甘さと塩気のバランスが絶妙です。
メープルシロップは、
好みに合わせて自分でかけられるので、
穣も自分好みの味にしながら、
夢中で味わっていました。
私は、
信州そばタコスを注文。

香ばしく、もっちりと焼き上げられた生地の上に、
彩り豊かな具材がたっぷりと盛り付けられています。
思わず、
「これは美味しい。」
と声が出る一品でした。
ただ、
ナイフとフォークで食べ始めたものの、
私たちは上手な食べ方が分からず、
途中から手で持って豪快に。
あとで考えると、
タコスらしく手で食べるのが正解だったのかもしれません。
次に訪れたときは、
おすすめの食べ方も聞いてみようと思います。
フライドポテトは、
サワークリームフレーバー。
穣は一口食べると、
「これ、いつものポテトと違うね。うまい!」
と笑顔。

ほどよい酸味がアクセントになっていて、
ハイネケンとの相性も良く、
ついつい手が止まらなくなる美味しさでした。
どれも美味しく、
親子でゆっくり昼の時間を
過ごすことができました。
そして、
取材の目的だった、
パフェも運ばれてきました。

もう一度来る約束
食事を終え、
店を出たあと、
穣が言いました。
「お父さん、もう一つパフェあったじゃん。」
「いいよ。また来ようぜ。」

その約束どおり、
夏休みのうちに、
もう一度この店を訪れました。
お目当ては、
7月限定の月替わりパフェ
「文月パフェ」でした。
夏だけの味を楽しみに、
もう一度訪れました。
二度目の取材
二度目は、
7月限定の月替わりパフェを注文しました。

テーブルに運ばれてくると、
穣は、
「よっしゃー。」
と思わず声を上げました。
穣は、
梅ソーダフロート。
私は、
コロナとハイネケン。
フライドポテトも注文しました。
一度目は、
「お父さん、聞いてよ。」
そう言っていた穣も、
二度目には、
自分からスタッフの方へ質問していました。

宿題のために始まった取材でしたが、
親としては、
そんな小さな成長が、
一番うれしい出来事でした。
帰り道、
私はふと思いました。
取材とは、
料理や景色だけを持ち帰ることではない。
人との出会い。
そこで過ごした時間。
子どもの成長。
そんな目には見えないものまで、
持ち帰ることなのかもしれません。
あの日、
穣に聞かれた
「取材って何?」
その答えを、
私自身も教えてもらった気がしました。

ichiniiから徒歩で行ける周辺スポット
※徒歩時間・距離は実際に歩いて計測した目安です。
| スポット | 徒歩時間 | 距離 |
|---|---|---|
| 桝一市村酒造 | 2〜5分 | 約150m |
| 小布施堂本店 | 2〜5分 | 約120m |
| 高井鴻山記念館 | 2〜5分 | 約170m |
| あかり博物館 | 3〜6分 | 約240m |
| えんとつ | 3〜6分 | 約240m |
| 皇大神社 | 3〜6分 | 約250m |
| 北斎館 | 4〜7分 | 約300m |
| 小布施ミュージアム・中島千波館 | 6〜9分 | 約400m |
| 小布施駅 | 7〜10分 | 約800m |
| 歴史民俗資料館 | 7〜10分 | 約800m |
各スポットの公式情報はこちら
▶ 高井鴻山記念館
▶ あかり博物館
▶ 北斎館
▶ 小布施駅 時刻表
▶ 歴史民俗資料館
店舗情報
- 店名:cafe & marche ichinii…
- 住所:長野県上高井郡小布施町小布施中町1108
- 電話番号:026-285-9637
- 営業時間:10:00~17:00(L.O.16:30)
- 定休日:火曜日
- Wi-Fi:あり
- モバイルオーダー:対応
- 駐車場:近隣の町営駐車場をご利用ください。
- 公式ホームページ
- 公式Instagram
- Googleマップ
ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。
もしこの記事が、
「行ってみたい。」
「食べてみたい。」
そう思うきっかけになれば、
とてもうれしく思います。
これからも、
歩いて出会った景色や人、
そして、その場所で過ごした時間を
記録として残していきます。


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