今日は赤口だった。
六曜の中では縁起が悪い日らしい。
ただし、
正午前後だけは吉。
昔からそう言われている。
本当かどうかは分からない。
それに今日は朝から体調もいまひとつだった。
汗が出たり寒気がしたり、
自分の体なのに機嫌がよく分からない。
だから少し試してみることにした。
⸻
朝10時。
家を出た。
まず病院へ向かう。
診察を受ける。
リハビリを受ける。
会社へ電話をする。
気が付けば11時30分。
須坂市役所へ到着した。

障害福祉。
福祉医療。
市営住宅。
用事はまだまだ続く。
12時20分。
市営住宅の手続きが終わった。
東棟1階のATMへ向かう。
順調だった。
あまりにも順調だった。
だから少し嫌な予感はしていた。
ATMの前に着く。
私は8人目だった。
赤口にも限界はあるらしい。
⸻
引き出した後、
再び3階の市営住宅へ支払い。
市役所にはエレベーターが無い。

痛みと痺れに耐えている俺には、
階段が少しきつかった。
後で妻に聞いた話では、
エレベーターは普通にあるらしい。
私はただ黙って階段を往復していた。
赤口だったのか、
私の確認不足だったのかは分からない。
無事に終わり、
近くの浙江亭本店へ向かう。

12時45分。
ラーメンが運ばれてきた。
昨日の晩はパン一枚。
今朝は何も食べていない。
気が付けば腹は限界だった。
赤口だの吉時間だの言っていたが、
そんなことはもうどうでもいい。
このラーメンこそが大吉だと思い込む。
私は勢いに任せて食べ始めた。
⸻
13時。
正確には12時59分。
須坂警察署に到着した。

13時5分。
窓口で対応していただく。
古物商許可証を受け取る。
説明を受ける。
思っていたよりあっさり終わった。
13時30分。
警察署を出る。
帰り道。
ふと思った。
妻の職場が近くにある。
せっかくだ。
ジュースの一本でも差し入れして帰ろう。
13時40分頃。
妻に差し入れを届ける。

そのまま薬局へ向かう。
処方箋が出ていた。
汗は出るのに、
風が当たると寒い。
自分の体なのに機嫌がよく分からない。
とりあえず薬だけは受け取って帰ろうと思った。

13時45分頃。
薬を受け取る。
⸻
14時過ぎ。
スーパーへ寄る。
エビを買う。
イカを買う。
アサリも買う。
カツオも買う。
マグロまで買ってしまった。

今日はいつも肉ばかりなので、
たまには海鮮カレーでも作ろうと思った。
気付けば、
鍋の中より先に、
買い物かごの中が海になっていた。
⸻
15時30分。
海鮮カレーは完成した。
片付けも終わる。
あとは煮込むだけだ。
鍋の中でカレーが静かに煮えている。
⸻
姉妹を乗せた妻の車が帰ってきた。
けれど息子が帰ってこない。
17時を過ぎる。
妻が探しに行く。

大人が少し心配している頃、
姉妹は平和そのものだった。
17時30分過ぎ。
友達のお姉ちゃんに連れられて帰ってきた。
どうやら学校帰りに寄り道をして、
そのまま遊んでいたらしい。
やれやれと思った。
怒られると思ったのか、
少し気まずそうな顔をしていた。
けれど無事に帰ってきた。
それだけで十分だった。
家の中では姉妹が今日の出来事を話している。
鍋の中ではカレーが静かに煮えている。
いつもの夕方だった。
⸻
その後、宿題を一緒にやる。

先日息子に言われた言葉を思い出した。
「先生の字って読めないよね?」
確かに読めなかった。
息子だけではない。
私も読めなかった。
「先生は一年生からやり直した方がいいよ」
そう言って軽く興奮している。
思わず吹き出した。
子どもから見れば、
読めない字を書く大人の方がおかしい。
言われてみれば間違いない。
その話はまた別の機会に書こうと思う。
⸻
朝10時に家を出てから、
病院。
リハビリ。
会社への電話。
市役所。
銀行。
警察署。
薬局。
スーパー。
そして家に帰り、
海鮮カレーを作り、
息子の帰りを待った。
赤口の昼だけ吉という話を試してみた。
本当に吉だったのか。
凶だったのか。
正直よく分からない。
汗だくだった。
風が吹くと寒かった。
自分の体なのに機嫌がよく分からなかった。
それでも一日を終えることができた。
古物商許可証も受け取った。

薬も受け取った。
妻に差し入れもできた。
海鮮カレーも作った。
息子も帰ってきた。
ただ一つ分かったことがある。
昼に食べたラーメンは大吉だった。
夕方に帰ってきた息子も大吉だった。
鍋の中で煮えている海鮮カレーも大吉だった。

結局のところ、
暦より腹の方が正直らしい。
赤口だったのか、
大安だったのかは分からない。
だが、
エビは踊り、
イカは笑い、
鍋の中では幸せがぐつぐつ煮えている。
赤口だろうが大安だろうが、
腹が満ちればそれでいい。
今夜の主役は海鮮カレー。
六曜は六つあるらしいが、
我が家の答えは一つだった。
「おかわり。」
である。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
こうした何気ない一日を、
これからも記録として残していきます。
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歩きながら、
少しずつ繋がっていった記録です。
▶ なんでもない夕方


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